2021.11.04 [イベントレポート]
湯浅政明監督、松本大洋の『犬王』新ビジュアルにご満悦 アヴちゃん&森山未來とのアフレコも明かす
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『犬王』ジャパンプレミア上映で、新ビジュアルお披露目

湯浅政明監督の長編アニメ『犬王』が11月3日、第34回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション」部門でジャパンプレミア上映され、湯浅監督がTOHOシネマズシャンテでのトークショーに出席した。

本作は、南北朝から室町期に活躍した能楽師・犬王の一生を描いた古川日出男氏の小説「平家物語 犬王の巻」が原作のミュージカルアニメ。漫画家の松本大洋氏がキャラクター原案、野木亜紀子が脚本を担当し、犬王役をロックバンド「女王蜂」ボーカルのアヴちゃん、犬王とバディを組む友魚(ともな)役を森山未來が務めている。

この日は、松本氏が手がけた本作の新ビジュアルが披露され、湯浅監督は「できたてです。かわいいですよね。かわいいし、かっこいい。映画をご覧になった方はわかると思いますが、いろんな場面が入っています」とニッコリ。松本氏へのビジュアルオーダーは、「軽く話しました。でも松本さんが描きたいものを描いてもらいましょう、「得意なやつで」と。いろいろ描いてもらって、結局「これが良いと思うんですけど」「それでお願いします」って感じでした(笑)」と説明した。

アヴちゃんと森山が歌い上げるロックテイストのミュージカルパートが大きな見どころとなる本作。湯浅監督は2人とのアフレコを振り返り、「彼(森山)が一番気にしていたのは、急にロックで歌い出すところでした。「それまでに何があったんだ」という急展開なのを気にしていましたが、そこは今回一番冒険したところだったので、最初は説明を入れていたんですね。でも説明しすぎになっていたので、脚本の野木さんに「全部いらないんじゃないか」「一気にいっちゃって、後付けで納得してもらえばいいんじゃないか」と言われて、そういう方法もあるんだと思い、ああいった思いきった展開を作りました」と語る。

さらに、「アヴちゃんの方は、いろいろ演じて、キャラクターを理解してもらってから歌詞を作ってもらったんです。曲があって、なんとなく言いたいことが決まっているなかで、「犬王が言うならどんな感じだろう」という流れで歌詞を作ってもらって、どんどん理解を深めていってもらいました。歌唱指導もアヴちゃんが先頭に立ってやってくれましたし、こちら側もアヴちゃんが犬王になっていくような感じで作っていきました」と、キャストと一緒に作り上げたことを明かした。

『犬王』は、2022年初夏に全国公開。第34回東京国際映画祭は11月8日まで、日比谷、有楽町、銀座地区で開催。
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