井上正大と賀集利樹
第34回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション」部門の特集上映「「仮面ライダー」の未来へ」が11月2日、角川シネマ有楽町で行われ、井上正大(仮面ライダーディケイド/門矢士)、賀集利樹(仮面ライダーアギト/津上翔一役)がトークショーに立った。
仮面ライダーBLACKが暗黒結社ゴルゴムのカメレオン怪人との戦いに挑む『
仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』、平成・昭和の歴代仮面ライダー26人が集結し、悪の組織・大ショッカーと大迫力のバトルを繰り広げる『
劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』の2作品を上映。井上は『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』について、「脚本を読んで「士=大ショッカーの大首領」ということを初めて知って、なんで東映の白倉(伸一郎)さんは教えてくれなかったんだろうと(笑)。でも、記憶喪失という良い設定があったんですよ。だから、脚本には常に驚きがありました」と述懐する。
井上「大杉漣さん、石橋蓮司さんを鼻で使うような役どころで「本当にいいのかな……」と思いながら、当時やらせてもらっていました。そして、仮面ライダーの歴史を象徴するかのような“全仮面ライダーのライダーキック”。アフレコをしている時は震えましたよね」
「僕の役もね、記憶喪失という良い武器を持っていました。平成ライダー初の記憶喪失者ですから(笑)」と井上のエピソードに乗っかって笑いを誘った賀集。津上翔一のキャラクター像について問われると「記憶喪失というのは普通に考えれば“重いもの”ですが、まったくそういう描き方がされていない。とにかく明るく前向きで、記憶喪失という設定を忘れてしまうほどの役作りを行っていました。“傍にいると面倒くさい奴”というのは意識していたかもしれません」と話すと、司会の藤津亮太氏は「当時の視聴者からすると「これくらい軽い仮面ライダーが平成らしい」という印象があったのかもしれない」と指摘。すると、賀集は「そこから新しいヒーロー像というのが出来上がったのかも」と述べていた。
井上は「門矢士は、一番ヒーロー像からかけ離れている。「オールライダー対大ショッカー」ではヒールじゃないですか。良い子が真似しちゃいけない。門矢士にあこがれていた20代男性がいると、本当に不安になるんですよ。集大成というお祭り企画ということで、特殊なキャラクターだったんじゃないかなと思います」と振り返る。そんな仮面ライダーディケイドについて、賀集は「決め台詞があること」をうらやましがった。
井上「アギトにはないんですか?」
賀集「ないんですよね~。決め台詞じゃなくて、魚の口に指を突っ込んで鮮度を確かめるとか……。豆腐を掴ませたりとか……これに関しては、要潤が頑張っていました(笑)」
井上「僕がうらやましかったのは、変身ポーズ。ライダーを経験して『変身ポーズをやってください』って言われる機会が増えたんですが、アギトだったら絶対にキマりますよね。でも、平成後期は(変身ポーズが)斜に構えたライダーが多くなったような気がするんです。ディケイドはカードで変身するという設定上、道具に頼っている感じがあったから(笑)」
やがて「仮面ライダーが続く理由」について問われると、賀集は「僕自身が個人的に思うのは、「仮面ライダー」にはリアリティがあるということ」と回答。「僕が演じた津上翔一は、ヒーローであり身近な存在だった。「仮面ライダー」が愛される理由は、この“身近さ”にあるのかもしれない」と続けると、藤津氏は「昭和のダークな1号も人気でしたが、近年ハネたのは“明朗なお兄さんキャラクター”になったからだという分析があります。その観点から言うと、賀集さんの意見は一理ありますね」と補足していた。
一方、井上は「仮面ライダーファンの方であれば分かると思いますが、特撮という文化は本当にすごいことなんです」と口火を切った。インドネシア、中国、アメリカなど各国の反響を紹介しつつ「「仮面ライダー」を毎年製作している。これもあり得ないこと。日本の文化になりつつある。生誕50周年は通過点。100年、200年と続いていってほしい」とアピールしながらも「ただそこまで続いた時に、ディケイドの新しいフォームが出ていないかが心配ではあります(笑)」と吐露していた。
第34回東京国際映画祭は、11月8日まで開催される。
井上正大と賀集利樹
第34回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション」部門の特集上映「「仮面ライダー」の未来へ」が11月2日、角川シネマ有楽町で行われ、井上正大(仮面ライダーディケイド/門矢士)、賀集利樹(仮面ライダーアギト/津上翔一役)がトークショーに立った。
仮面ライダーBLACKが暗黒結社ゴルゴムのカメレオン怪人との戦いに挑む『
仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』、平成・昭和の歴代仮面ライダー26人が集結し、悪の組織・大ショッカーと大迫力のバトルを繰り広げる『
劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』の2作品を上映。井上は『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』について、「脚本を読んで「士=大ショッカーの大首領」ということを初めて知って、なんで東映の白倉(伸一郎)さんは教えてくれなかったんだろうと(笑)。でも、記憶喪失という良い設定があったんですよ。だから、脚本には常に驚きがありました」と述懐する。
井上「大杉漣さん、石橋蓮司さんを鼻で使うような役どころで「本当にいいのかな……」と思いながら、当時やらせてもらっていました。そして、仮面ライダーの歴史を象徴するかのような“全仮面ライダーのライダーキック”。アフレコをしている時は震えましたよね」
「僕の役もね、記憶喪失という良い武器を持っていました。平成ライダー初の記憶喪失者ですから(笑)」と井上のエピソードに乗っかって笑いを誘った賀集。津上翔一のキャラクター像について問われると「記憶喪失というのは普通に考えれば“重いもの”ですが、まったくそういう描き方がされていない。とにかく明るく前向きで、記憶喪失という設定を忘れてしまうほどの役作りを行っていました。“傍にいると面倒くさい奴”というのは意識していたかもしれません」と話すと、司会の藤津亮太氏は「当時の視聴者からすると「これくらい軽い仮面ライダーが平成らしい」という印象があったのかもしれない」と指摘。すると、賀集は「そこから新しいヒーロー像というのが出来上がったのかも」と述べていた。
井上は「門矢士は、一番ヒーロー像からかけ離れている。「オールライダー対大ショッカー」ではヒールじゃないですか。良い子が真似しちゃいけない。門矢士にあこがれていた20代男性がいると、本当に不安になるんですよ。集大成というお祭り企画ということで、特殊なキャラクターだったんじゃないかなと思います」と振り返る。そんな仮面ライダーディケイドについて、賀集は「決め台詞があること」をうらやましがった。
井上「アギトにはないんですか?」
賀集「ないんですよね~。決め台詞じゃなくて、魚の口に指を突っ込んで鮮度を確かめるとか……。豆腐を掴ませたりとか……これに関しては、要潤が頑張っていました(笑)」
井上「僕がうらやましかったのは、変身ポーズ。ライダーを経験して『変身ポーズをやってください』って言われる機会が増えたんですが、アギトだったら絶対にキマりますよね。でも、平成後期は(変身ポーズが)斜に構えたライダーが多くなったような気がするんです。ディケイドはカードで変身するという設定上、道具に頼っている感じがあったから(笑)」
やがて「仮面ライダーが続く理由」について問われると、賀集は「僕自身が個人的に思うのは、「仮面ライダー」にはリアリティがあるということ」と回答。「僕が演じた津上翔一は、ヒーローであり身近な存在だった。「仮面ライダー」が愛される理由は、この“身近さ”にあるのかもしれない」と続けると、藤津氏は「昭和のダークな1号も人気でしたが、近年ハネたのは“明朗なお兄さんキャラクター”になったからだという分析があります。その観点から言うと、賀集さんの意見は一理ありますね」と補足していた。
一方、井上は「仮面ライダーファンの方であれば分かると思いますが、特撮という文化は本当にすごいことなんです」と口火を切った。インドネシア、中国、アメリカなど各国の反響を紹介しつつ「「仮面ライダー」を毎年製作している。これもあり得ないこと。日本の文化になりつつある。生誕50周年は通過点。100年、200年と続いていってほしい」とアピールしながらも「ただそこまで続いた時に、ディケイドの新しいフォームが出ていないかが心配ではあります(笑)」と吐露していた。
第34回東京国際映画祭は、11月8日まで開催される。