プロデューサーの平山亨氏の思い出話に花を咲かせた
第34回東京国際映画祭「仮面ライダー50th 仮面ライダーアニバーサリー in TIFF」の一環として『
平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』『
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』が11月1日、東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場で披露され、オンライントークイベントに速水亮(仮面ライダーX/神敬介役)、菅田俊(仮面ライダーZX/村雨良役)、村上弘明(スカイライダー/筑波洋役)が参加した。
「仮面ライダーは、俳優生活の原点」という速水は、仮面ライダーXに選ばれた当時の思い出を語り出す。「初代の藤岡弘、さんが仮面ライダーとして大ブレイクを果たして、僕が演じる時には「仮面ライダーを演じる俳優は、スターになる」という定説があった。それまでくすぶっていましたし、決まった時は「やったー!」という気持ちでしたね」と振り返りつつ、印象的だった出来事を明かす。
速水「常識外れなことばかりなんですよ。僕は仮面ライダーに決まった時、すぐに大型バイクの免許を取ることになったんですね。撮影に入ったばかりの頃は、当然下手。その前にやっていた「仮面ライダーV3」と比較されるんです。一番びっくりしたのは爆薬。「セメントの包みが置いてあるから、そこに真っ直ぐに突っ込めばいい」と。爆破が好きな人はほとんどいないんじゃないかな。でも、歴代のライダーでV3(宮内洋)という馬鹿な男がいましてね……先輩だから、こんなことを言っちゃいけませんが、あの人は火薬大好き人間(笑)」
「仮面ライダーZX」は雑誌展開でスタートし、その後テレビスペシャルとして映像化。「仮面ライダースーパー1」の最終オーディションに残り、その後、紆余曲折を経て仮面ライダーZXとなった菅田は「平山亨さんがもう一度仮面ライダーを再考したいということで『どうなるかわからないけど、付き合ってくれないか』と言われて。1年間雑誌の展開、遊園地を回って、ようやく正月番組としてやっていいということになったんです。「仮面ライダーZX」は、ファンの人たち、平山さんの「新しい仮面ライダーを作ってくれ」という思いが、石ノ森先生に届いて実現したもの。ファンが作った仮面ライダーなんですよ」と説明した。
4000人以上が参加したオーディションを経て、スカイライダーに抜てきされた村上。オーディションの参加条件として「身長175センチ以上」「27歳以下」「自動二輪の免許」というものがあったが、村上は「免許を持っていませんでした」と告白し、当時のことを振り返った。
村上「3次審査が、オートバイの運転テスト。乗ったことがないわけですから、ドキドキしていましたし、ギアチェンジのこともわからない。前後の人に操作方法を聞ける雰囲気でもなかった。エンジンをかけて走り始めたんですが「直線コースでスピードを出してくれ」と言われても、スピードが出ない。ゴールで止まろうとしても、今度はブレーキの場所がわからない。もう混乱状態ですよ。仕方がないので、バイクから飛び降りたんです。そしたら、エンジンのかかったバイクが横滑りして、審査員席の方に向かっていくわけです。その様子がスローモーションに見えましたね。最悪の結果だと思ったのですが、なぜか最終審査にも残り、カメラテスト、アクションテスト――他の方々が非常に上手だったのに、なぜか私が8代目ライダーになりました。今でも不思議に思っています」
トークでは、プロデューサー・平山氏の思い出話にも花が咲いた。2013年の亡くなる直前、平山氏の「仮面ライダー全員と会いたい」と思いを受け“昭和仮面ライダーの集まり”も開催。村上は「平山さんは、本当に面倒見のよい方でしたね」と話す。
村上「撮影現場では、情け容赦のない言葉がぽんぽんと浴びせられるわけですよ。そんなことがあって落ち込んでいると、平山さんがなぐさめてくれる。色んなところに連れて行ってくれたり、話を聞いてもらいましたね」
菅田「「仮面ライダーZX」のイベントや写真撮影に参加しても、当時はノーギャラだったんですよ。1年間、ギャラをもらったことがなかった。宝塚に向かう電車の中、そのことを平山さんに言ったら、財布の中から3万円を出してくれて、僕にくれました。「とっておけよ」と。その3万円は、まだ使わずに持っています」
生誕50周年を迎えた「仮面ライダー」。速水は「当時は、ここまで「仮面ライダー」が続くとは思っていなかったんですよね。でも、今、ライダーを見ている層は、当時の視聴者たちの孫の世代。そして、数々のスターが「仮面ライダー」から生まれている。多分ね、まだまだ続くと思いますよ」としみじみ。「私も、まだ「仮面ライダー」と言われるんですよね。それが不思議。僕らは、こういう催し物に関しては、足が動く限り出てきますから。皆様、「仮面ライダー」を末永く応援していただければと思います」と思いの丈を述べていた。
第34回東京国際映画祭は、11月8日まで開催される。
プロデューサーの平山亨氏の思い出話に花を咲かせた
第34回東京国際映画祭「仮面ライダー50th 仮面ライダーアニバーサリー in TIFF」の一環として『
平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』『
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』が11月1日、東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場で披露され、オンライントークイベントに速水亮(仮面ライダーX/神敬介役)、菅田俊(仮面ライダーZX/村雨良役)、村上弘明(スカイライダー/筑波洋役)が参加した。
「仮面ライダーは、俳優生活の原点」という速水は、仮面ライダーXに選ばれた当時の思い出を語り出す。「初代の藤岡弘、さんが仮面ライダーとして大ブレイクを果たして、僕が演じる時には「仮面ライダーを演じる俳優は、スターになる」という定説があった。それまでくすぶっていましたし、決まった時は「やったー!」という気持ちでしたね」と振り返りつつ、印象的だった出来事を明かす。
速水「常識外れなことばかりなんですよ。僕は仮面ライダーに決まった時、すぐに大型バイクの免許を取ることになったんですね。撮影に入ったばかりの頃は、当然下手。その前にやっていた「仮面ライダーV3」と比較されるんです。一番びっくりしたのは爆薬。「セメントの包みが置いてあるから、そこに真っ直ぐに突っ込めばいい」と。爆破が好きな人はほとんどいないんじゃないかな。でも、歴代のライダーでV3(宮内洋)という馬鹿な男がいましてね……先輩だから、こんなことを言っちゃいけませんが、あの人は火薬大好き人間(笑)」
「仮面ライダーZX」は雑誌展開でスタートし、その後テレビスペシャルとして映像化。「仮面ライダースーパー1」の最終オーディションに残り、その後、紆余曲折を経て仮面ライダーZXとなった菅田は「平山亨さんがもう一度仮面ライダーを再考したいということで『どうなるかわからないけど、付き合ってくれないか』と言われて。1年間雑誌の展開、遊園地を回って、ようやく正月番組としてやっていいということになったんです。「仮面ライダーZX」は、ファンの人たち、平山さんの「新しい仮面ライダーを作ってくれ」という思いが、石ノ森先生に届いて実現したもの。ファンが作った仮面ライダーなんですよ」と説明した。
4000人以上が参加したオーディションを経て、スカイライダーに抜てきされた村上。オーディションの参加条件として「身長175センチ以上」「27歳以下」「自動二輪の免許」というものがあったが、村上は「免許を持っていませんでした」と告白し、当時のことを振り返った。
村上「3次審査が、オートバイの運転テスト。乗ったことがないわけですから、ドキドキしていましたし、ギアチェンジのこともわからない。前後の人に操作方法を聞ける雰囲気でもなかった。エンジンをかけて走り始めたんですが「直線コースでスピードを出してくれ」と言われても、スピードが出ない。ゴールで止まろうとしても、今度はブレーキの場所がわからない。もう混乱状態ですよ。仕方がないので、バイクから飛び降りたんです。そしたら、エンジンのかかったバイクが横滑りして、審査員席の方に向かっていくわけです。その様子がスローモーションに見えましたね。最悪の結果だと思ったのですが、なぜか最終審査にも残り、カメラテスト、アクションテスト――他の方々が非常に上手だったのに、なぜか私が8代目ライダーになりました。今でも不思議に思っています」
トークでは、プロデューサー・平山氏の思い出話にも花が咲いた。2013年の亡くなる直前、平山氏の「仮面ライダー全員と会いたい」と思いを受け“昭和仮面ライダーの集まり”も開催。村上は「平山さんは、本当に面倒見のよい方でしたね」と話す。
村上「撮影現場では、情け容赦のない言葉がぽんぽんと浴びせられるわけですよ。そんなことがあって落ち込んでいると、平山さんがなぐさめてくれる。色んなところに連れて行ってくれたり、話を聞いてもらいましたね」
菅田「「仮面ライダーZX」のイベントや写真撮影に参加しても、当時はノーギャラだったんですよ。1年間、ギャラをもらったことがなかった。宝塚に向かう電車の中、そのことを平山さんに言ったら、財布の中から3万円を出してくれて、僕にくれました。「とっておけよ」と。その3万円は、まだ使わずに持っています」
生誕50周年を迎えた「仮面ライダー」。速水は「当時は、ここまで「仮面ライダー」が続くとは思っていなかったんですよね。でも、今、ライダーを見ている層は、当時の視聴者たちの孫の世代。そして、数々のスターが「仮面ライダー」から生まれている。多分ね、まだまだ続くと思いますよ」としみじみ。「私も、まだ「仮面ライダー」と言われるんですよね。それが不思議。僕らは、こういう催し物に関しては、足が動く限り出てきますから。皆様、「仮面ライダー」を末永く応援していただければと思います」と思いの丈を述べていた。
第34回東京国際映画祭は、11月8日まで開催される。