2021.10.30 [イベントレポート]
行定勲監督、東京国際映画祭×Amazon Prime Videoによる試みから生まれる新たな才能に期待
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新たな才能との出会いに大きな期待

第34回東京国際映画祭から設立される「Amazon Prime Videoテイクワン賞」の上映会が10月30日、東京・TOHOシネマズシャンテで行われ、ファイナリスト作品9本の上映前に、同賞の審査委員長を務める行定勲監督とPrime Videoの児玉隆志ジャパンカントリーマネジャーが対談した。

本賞は、国内外で優れたオリジナル作品を制作し多様な映像作品を配信する「Amazon Prime Video」の協賛を得て、東京国際映画祭が“さらなる才能の発掘”を目指して設立されたもの。対象となったのは、これまで商業映画の監督、脚本、プロデューサーを担当したことがない日本在住の映画作家の15分以内の短編作品。応募期間の約2カ月の間に、223本の作品が集まった。

ステージに立った行定監督は「今回、新設されたコンペティションに審査委員長として選出していただけたことを非常に感謝しておりますし、光栄に思っております。ここに選ばれた作品というのは、選出した人たちの気合が入ったものが多くて。審査員たちに議論させるために選出された作品だなと思わせるような、ワクワクさせる作品ばかり。どんな審査会になるのか、今から楽しみにしております」と挨拶した。

続いて「東京国際映画祭で、このようにサポートさせていただけることを大変に光栄に思っております。今回、我々がサポートさせていただく目的としては2つあります」と語る児玉氏も、「やはり出会いが欲しいんです。Amazon Prime Videoは日本で6年以上やっておりますが、まだまだオリジナル作品が足りないと思っております。特に映画は、日本の皆さんも大好きなカテゴリーなので、そういった作品をどんどん増やしていく意味でも新たな才能に出会いたい。そして2つ目が応援です。コロナ禍で映画館が閉まってしまったり、映画監督になる道のりが限られてしまっているということもあって。若手の活躍の場が限られてしまったと思います。そこで我々が少しでも表現の場を提供できればいいなと思いました」とその意義を語る。

今回の受賞者は、賞金100万円が送られるほか、Amazonスタジオと長編映画の製作を模索し、脚本開発に取り組む機会も提供されることとなる。これには行定監督も「僕もAmazonさんにいろいろと提案している段階なので、その時点で僕と一緒。もうすでにライバルですからね」とキッパリ語ると、「今回は自分がこういうものを撮りたいという信念のもとに撮られている作品が多い。やはりそういう作品はある種、クライアントがいる状態ではなかなか撮れないような、純度の高い作品性があるところが面白いところなんです。そういうのは嫉妬するし、僕はもう作れないものなんですが、そういう若手ならではの才能を発掘できる瞬間に立ち会えるのはすごく面白いなと思います」と期待を寄せていた。

なお今回、上映されたファイナリスト作品9本は、小田香監督『夜行列車』、こだかさり監督『窓越しのキス』、金子雅和監督『水虎』、金允洙監督『日曜日、凪』、古川原壮志監督の2作品『なぎさ』と『Birdland』、瑚海みどり監督『橋の下で』、節田朋一郎監督『必要と不必要』、宮原拓也監督『EVEN』の9本。審査委員長の行定監督、女優の渡辺真起子、美術監督の磯見俊裕氏、元駐日マケドニア大使で映画監督のアンドリアナ・ツベトコビッチ氏、Amazonスタジオアジアパシフィック責任者のエリカ・ノース氏らが名を連ねる審査員チームの審査を経て、11月8日にTOHOシネマズ日比谷で行われるクロージングセレモニーの場で受賞作品が発表される。
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